#節税 #租税回避 #脱税

台湾で(日本にも同様)税金を支払わなくても罰せられない租税回避という方法があります。つまり、合法の逃げ道があるということです。

脱税VS租税回避

脱税については、重加算税の支払を求められる上に、罰金(5倍以下の重加算税)も課せられますが、租税回避については無申告加算税及び延滞税が課せられるのみで、特に罰則はありません。

租税回避とは税法が想定していない方法で税を軽減させるものです。以下で二つの具体例を説明させていただきます。(以下では、日本の法律ではなく台湾の税に関する法律を紹介します。)

贈与税の例

台湾で夫婦間の贈与は贈与税を課されません。夫婦間以外の贈与については、基礎控除額の220万台湾ドルを差し引いた後の金額に対しては贈与税額が計算されます。
もし、両親が子供に400万台湾ドルに相当するスポーツカーを誕生日のギフトとして送ると、贈与税が課せられます。しかし、ここである方法をとることで贈与税を回避することができます。その方法は以下の通りです。
まず親Aが親Bに200万台湾ドルを贈与してから、それぞれの親がその子供に200万贈与するという形をとります。そうすると、親Aも親Bもそれぞれ、贈与額が基礎控除額である220万台湾ドルを下回るため、贈与税は課されません。

ウーバー台湾と国税庁との争い

営業税の2018年改正前は、外国営業人に消費税が課されませんでした。理由は越境EC(国境を超えて行われるECサイトの取引)の時代が来るまで、越境EC営業人の営業額がそこまで多くはなかったからです。

ただ、偽りの越境EC営業人がいます。

ウーバー B.V.はオランダ籍の会社で、ウーバー台湾はウーバー B.V.の子会社です。ウーバー B.V.はタクシー会社で、ウーバー台湾はただ運転手募集のサービスをウーバーB.V.に提供していたため、タクシー会社のような会社ではないんです。そのため、運賃に消費税を加える必要がありませんと言いました。
つまり、ウーバーのサービスを利用した消費者が支払った運賃には消費税が課されませんでした。そして、価格的には、Uberの運賃は他のタクシー会社より有利な状態になりました。

しかし、実際の運営状況を見ると、ウーバー台湾は課税要件をくぐり抜けたために、通常ではあり得ない不自然で不合理な取引をとりました。ウーバー台湾が自分でタクシー業務を行えるものの、あえてウーバー B.V.がタクシー運転手との契約を通じて、タクシー業務を行ったのがやや不自然でした。そこで、台湾国税庁はウーバー台湾が脱税行為をしたと認定し、2億円の罰金及び重加算税処分を下しました。

ところが、最高行政裁判所は、ウーバー台湾は脱税行為を行なっておらず、租税回避行為(不自然で合法的なやり方をとり、税金を支払わない利益を得る行為)を行っただけだと判断したため、2億円の罰金処分を取り消し、無申告加算税及び延滞税の処分がされるべきであると判断しました。

つまり、租税回避というのは、税法が想定していない方法によって、合法的に税を軽減させるものです。
以上の二つの例から見ると、租税回避が理解されやすくなりますのでしょう。